「本歌取り」って普段の生活の中ではなかなか聞く事が無い。
朝の連続テレビ小説は面白い話もあればそうでもない時もある。
でも、このように普段耳にすることのない言葉があったり、いろんな生活、仕事、時代背景・・特に今回のようなパイロットの養成学校の話などは聞くことも見る事もなかったのでなかなか見応えがある。
さて、本題の「本歌取り」だが、
本歌取りとは有名な歌(本歌)の中の語句や趣向などを取り入れて新しい歌を作るという技法らしい。
大きな声では言えないがパ○リという事?
ドラマの中で「本歌取り」というワードを聞いて思い出した、というよりずっと心に残っている風景がある。
高校の国語の授業で寺山修司の詩を習っていた時、
わりと有名な短歌で
「ふるさとの 訛りなくせし友といて モカ珈琲はかくまで苦し」
という歌の中にある作者の心情などを先生が語っていた。
不意に、
「この歌の元となっている歌を知っている人」
と先生が聞く。
スッと手が上がる。
それは紛れもなく私の仲の良い友達。
「ふるさとの 訛りなつかし停車場の 人混みをさけて そを聞きに行く」
と、パシっと答えたそのかっこよさ。
手が挙ったのは彼女一人だけ。
石川啄木のその短歌はよく耳にするけれど、その時はもちろん知らなかった。
その時の出来事が目に焼き付いているから
その歌がずっと気になっているのかも知れない。